クイーンステークスの予想 | 過去10年データ傾向分析

クイーンSのレース質を見ていくと「持続力」が求められる年と「瞬発力」が求められる年で2極化している。
「持続力」の質になった年は2011年、2014年、2017年、2020年の4回。

前走3勝クラス以上で逃げた馬が複数の年
→2020年のみ該当

前走短距離G1で逃げ先行馬が複数の年
→2011年、2014年のみ該当
※2017年は前走NHKマイルを2番手から押し切っていたアエロリットが逃げ、締まった流れとなった。

こうして見ていくと速くなった年はなるべくしてなったと言える。

ミドル~ハイペースになった2011年、2014年、2017年、2020年は3着以内の12頭中、10頭を差し追い込み馬が占めた。

今回の出走予定馬を見ていくと除外馬を除き「グランスラムアスク」「ライトクオンタム」の2頭が前走3勝クラス以上で逃げた馬となり、2020年と同じくハイペースとなる条件を満たした。
それ以外にも「コスタボニータ」「ジネストラ」「トーセンローリエ」などの先行馬も多彩。

今年は3着以内の3頭中2頭以上が今回差しか追い込みの戦法をとった馬になる可能性が高いと考えつつ予想していくのが良さそうだ。

1番人気の複勝率が80.0％と高く安定。内枠有利のクイーンステークスらしく、1番人気で馬券外となった2頭はともに二桁馬番だった。1番人気の成績は良いが7番人気以下からも10年で9頭が3着以内に入っておりそこそこ人気薄からも狙えるレース。

脚質で見ると逃げ馬にはかなり厳しい結果となっている。内枠が有利なのは明らかで逃げ馬も2枠に入った3頭のうち2頭が3着以内になった。コース形状から最初のコーナーまでが短く、それまでに無理をしないといけない外目の枠だと逃げ切るのは難しい。今回先行した馬と差した馬で成績に大差は無いが、前走先行していた馬の勝率が高く、深掘りすると前走1800m以下の重賞に出走して先行した馬の成績が素晴らしい。9番人気10番人気からも連対馬が出ており、該当馬14頭で連対8頭と連対率は57.1%となっている。同距離か距離延長ローテでスムーズに前へ行けるのが良さそうだ。

勝率は3歳馬が高く、複勝率でも3歳、4歳が高い。7歳は10年で出走例が一つしか無いが、6歳でも明らかに成績は落ちる。ポイントとして6歳で3着以内になった4頭は全てスローペースになった年だったということ。ハイペースになった年は3歳~5歳で3着以内を占めた。このレースで高齢馬を狙うならスローになると読んだ時が良いだろう。前に行く馬が多い今年はどうなるか。

勝ち馬を排出した種牡馬を見るとディープインパクト以外ではヴィクトワールピサ、クロフネ、ハービンジャー、ジャングルポケット、ファルブラヴなどスパッと切れるよりも持続力勝負で強い種牡馬が並ぶ。母父に目を移すとサクラバクシンオーやkaldoun、トニービンなどナスルーラを祖とする血統が多く、これらを母父に持つ馬は10年で14頭該当し、複勝率は42.9％と高い。とくにハイペースになった時の方がここで紹介した血を持つ馬たちの成績は良くなっている。

池添騎手の成績が目立つが1番人気3回2番人気1回でのもの。能力がある馬をしっかり持ってくるという意味で得意コースではありそう。夏競馬とはいえ上位には中央開催でも成績の良い騎手が多く、成績下位ジョッキーは2着以下までが多くなっている。コース形状から道中の位置取りやペース配分も重要になりそうでペースを読んで騎乗できる騎手を狙いたい。

7番人気以下で3着以内になった9頭のうち6頭が前走距離2000mからの短縮だった。そのうち3頭がG3、残りの3頭が3勝クラスで、6頭全てが2着以下の馬だった。

残りの3頭は2頭がオープンと重賞で前走連対、1頭が前走G1で11着となるも2走前、3走前は重賞で3着以内になっていた。前走1400~1800mのオープンクラス以上で連対していた馬は複勝率50％。実力馬が条件変わりなどで軽視されているケースは素直に信用したい。