クイーンステークス全頭血統分析

父方にロベルト系、サドラーズウェルズ系、母方にキングマンボ系が走り、ナスルーラを祖とする血統を多く持つ(赤い血統)。東京でG2を勝っているが血統からはここでの適性も感じる。G2以上で勝ち星があるのは今回この馬だけで近走は馬券内から遠ざかっているが前2走は不向きなマイル戦、3走前は有馬記念4着でここでは頭一つ抜けている。非根幹距離向きのタイプで、1800mに戻り再度戴冠となる可能性はある。早熟傾向の強いエピファネイア産駒で6歳で連対した馬がいないのは懸念点。

除外。母父がナスルーラを祖とするフォルティノ系で、5代前にはニジンスキーが2本あり洋芝が向きそうな血統。このコース向きの持続力型ディープインパクト産駒で母父の影響が強い。3歳時にこのコースの3勝クラスで2着しており出走できるなら面白い馬。父サンデー系×母父ナスルーラ系は12頭出走して複勝率50％。

ゴールドシップ産駒はクイーンステークスへの出走歴は無いものの、札幌2歳ステークスには8頭出走して3連対。ただし3歳以上だとこのコースでは1連対と厳しい。父ステイゴールド系は洋芝適性は高めだとは思うがこのレースでの成績は16頭出走して3着以内が2頭と良くない。父も母父も母母父も洋芝、持続力向き血統ではあり血統構成から条件は合う。

除外。父ノーザンダンサー系の成績はこのレースで高く、父ノーザンダンサー系の成績は12頭出走して複勝率58.3％。その中で父ダンチヒ系に限ると3頭で複勝率33.3％と落ちる。

除外。父サンデー系×母父ノーザンダンサー系は39頭が出走して複勝率20.5％。父サンデー系との組み合わせではノーザンダンサー系の中でもダンチヒ→デインヒル系、サドラーザウウェルズ系、ヴァイスリージェント系が好走しており、母父ニジンスキー系の出走例は無いが持続力向きに出る血統なので洋芝は合いそう。ただしスピードが足りるか微妙な配合。

父サンデー系×母父ミスタープロスペクター系は過去10年で13頭出走複勝率23.1％。3着以内になったのは3回でこのレース得意な父ヴィクトワールピサ産駒、父ゼンノロブロイ産駒。そのうち2回馬券になっているスカーレットカラーは前走重賞3着時、前走G1出走2走前重賞連対時のもので勢いもある実力馬だった。もう1頭のラブフールは母父エルコンドルパサーで、サドラーズウェルズの血を内包しておりミスタープロスペクター系の中ではこのレース向きの血統構成だった。キタウイングは持続力型の父ダノンバラードで母父母父にロベルト系、母母父にニジンスキー系と重めの血統ではあるがここでは強調しづらいか。

父サンデー系×母父ナスルーラ系は過去10年で10頭出走して複勝率50％。前走OPクラス以上の馬だと複勝率60％でさらに前走1秒差負け以内の馬だと対象7頭で複勝率は71.4％。G2阪神牝馬Sの3着馬で実力は上位。父母父、母父、母母父、母母母父の系統がナスルーラ系というこのレースでこその馬。

本馬自体が同コースでのクイーンステークスを2022年に2着しており既に適性を見せているが、父ノーザンダンサーは12頭出走して複勝率58.3％。その中で父サドラーズウェルズ系(同血のフェアリーキングも含む)だと5頭出走して4頭が3着以内で複勝率は80.0％と非常に高い。7歳でどうかというところだが父サドラーズウェルズ系は芝重賞に7歳での出走だと過去10年で46走して複勝率26.1％と他系統と比べて好走率が高い。函館開催時も含め2年連続でこのレースを好走しており今回人気するのは仕方ないが年齢で切るのは危険。

除外。父サンデー系×母父ミスタープロスペクター系は過去10年で13頭出走複勝率23.1％と良くない。この馬の場合は母母父にナスルーラを祖とするジャングルポケットでそこはプラス材料ではある。

父キングカメハメハ系は16頭出走して複勝率12.5％とかなり悪い。ただしその中で母父サンデーサイレンス(系ではなく、サンデーサイレンス)との組み合わせでは5頭で2連対、連対率40.0％と高い。前走5番手以下の中団から後方で競馬した馬だと複勝率66.7%と高く本馬も当てはまる。半兄のコディーノ、半姉のチェッキーノもキレる馬というより持続力勝負向きのところがあった。ジネストラもその傾向があり、クイーンステークスがある程度ペースが早くなるなら洋芝と合わせて力を出せる可能性は高い。

父ノーザンダンサーは12頭出走して複勝率58.3％と好成績だが母父はサンデーサイレンス系、ミスタープロスペクター系との組み合わせが多く、それ以外の母父で3着以内になったのは母父バーラム系のソウルスターリング1頭。ソウルスターリングは牝馬G1で2勝とスピードもある馬だった。父ノーザンダンサー系×母父ノーザンダンサー系というのは過去10年で1頭のみの出走だが少し重すぎるというのはあるかもしれない。

クイーンステークスにドゥラメンテ産駒の出走例は無いが、父キングカメハメハ系は16頭出走して複勝率12.5％。母父リファール系も他のノーザンダンサー系のサドラーズウェルズやデインヒルと比べるとこのレースでの強調材料となりづらい。このレース向きのトニービンを内包しているし、結果規格外のドゥラメンテだったという可能性はあるが血統面から高評価はつけられない。

ストームキャットの3×3。父サンデー系×母父ストームキャット、ストームバード系での成績は悪く3着以内になった馬は一頭もいない。ただし過去に走ったこの組み合わせの馬よりも血統表に占めるノーザンダンサー系の血が多く、ナスルーラを祖とする赤い血統も5代前に4本とこのレースに対する適性は高い可能性がある。父サンデー系×母父ノーザンダンサー系の4歳馬はこのレースで複勝率41.7%と高い。

除外。狙っていただけに悔しいが血統観点で考えていくと穴人気して着外という可能性が高かったかもしれない。半姉のミッドサマーフェアがこのレース3着というのはあるが、父タニノギムレットでこのレースに求められる持続力向きの血統ではあった。本馬の場合、父サンデー系×母父ミスタープロスペクター系は過去10年で13頭出走複勝率23.1％とこのレースには向かない配合となっており、母父キングマンボ系はこのレースで4走して複勝率75.0%と高いものの、馬券になったのはミッドサマーフェアを除くと母父エルコンドルパサーで2連対と実はキングマンボというよりエルコンドルパサーに内包されるサドラーズウェルズが効いている可能性が高い。出走すれば買っていると思うし、結果的にかなり人気したと思うので今回は除外になって良かったと考えるようにする。

父キングマンボ系は3走して馬券内はゼロ。父キングカメハメハと合わせてもこのレース向きの血統ではない。牝馬G3なら上位の実績だし直線の短い中山での好成績からここでもコースは合いそうだが。

父サンデー系×母父ミスタープロスペクター系は過去10年で13頭出走複勝率23.1％とこのレースには向かない。母母父がこのレースに向いているダンチヒ系なのはプラス材料であるが、血統からは強調材料に乏しい。

父キングカメハメハ系のクイーンステークス成績は厳しいものがあるが、母父ダンスインザダークとの組み合わせでは2走して4着、5着と掲示板は確保している。とはいえ血統面からは強調材料に欠ける。

このレースで父サンデー系×母父ミスタープロスペクター系の成績はそれほど良くないが、本馬の場合は母母父にサドラーズウェルズがありそこはプラス。父キズナ産駒はディープインパクト産駒と比べキレが足らないが、だからこそ洋芝の方が良いし、根幹距離よりも非根幹距離向きの産駒が多く前走2000からの短縮は好ローテ。